さくらももこの『ひとりずもう』を読んで思い出す切なさと、胸のドキドキ

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どきどき

こんにちは。
月曜日が来そうで来ない永遠の週末を過ごしたいぶきっちょです。

先日高校の友人とご飯を食べながら、

「なんか最近、すごい胸がドキドキする!っていうことがないよね」

という話で盛り上がった。

ちょっとしたワクワクや、ドキドキはもちろんある。

それでも、

高校の時に好きなアーティストのライブに行った時のあの倒れそうなほどの興奮。

夏フェスに行った時の「どのアーティストも全部見るぞー!」という熱量。

好きなアーティストが新曲を出した時にすぐにHMVに行って購入して聞きまくるテンションの盛り上がり。

そういったことの頻度も、全体的な熱量も減った気がするのだ。(今気づいたが、私の胸のドキドキは音楽に寄るものが多いようだ)

今では、

好きなアーティストのライブに行ったらそこそこの興奮はあるが同時に漂う落ち着き感。

夏フェスに行った時は「無理せずゆるーく飲みながら見るぞー!」というまったり感。

好きなアーティストが新曲を出しても気づいた頃にネットで試聴しだすテンションの動きのなさ。

これが大人になるということなのか?

全体的にエネルギーが減って行っているから、これは仕方がないということなのか?

あの体がはち切れんばかりの胸のドキドキ感は、もうこれから味わうことはないのだろうか?

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『ひとりずもう』を読んだら蘇る、あのドキドキ感

『ひとりずもう』は、さくらももこの青春時代から漫画家デビューをするまでのコミック・エッセイだ。

エッセイの方は結構前に読んだことがあったが、コミック版が出ていることを知り買ってみた。

上巻は中学時代から高校一年生の夏休みまでの話で、思春期ならではの悩みを抱えながらもマイペースに過ごすももこの日常が描かれている。

シュールでリアルな青春にクスッとしつつも、どこか懐かしさを覚えながら読んでしまう。

私の中に残っていたドキドキ感が蘇らせられたのは、下巻を読んだ時だ。

高校卒業後の進路を考えるももこ。

漫画家になりたいという幼い時からの夢はあるが、叶いっこないと他の道を模索する。

しかし結局、漫画が描きたいという自分の気持ちと向き合い、寝る間も惜しんで少女漫画雑誌「りぼん」に投稿しようと決める。

ただの無駄に終わる可能性の方が高い努力。

それを自覚しながら漫画を描き続けたももこが、受賞者として自分の名前が載った「りぼん」を目にした瞬間、喜びのあまり座り込んでしまうというシーンがある。

自分の作品が初めて誰かに認められた瞬間。

何かを褒められるよりも、何が起こるよりも、嬉しかったのではないかと思う。

その後もデビューまでの頑張り、デビューの知らせ、と物語は続くが、最初に賞を取った時のドキドキ感が一番強烈だったのではないかと勝手に感じた。

胸のドキドキを忘れたくない

ももこが「りぼん」の受賞者ページで自分の名前を見つける場面に、私がこんなにもドキドキしてしまったのは同じような経験があったからだ。

私は小学生の頃から小説を書くのが好きで、小説家になろうと思っていた。

中学・高校とマイペースに執筆を続け、自分の小説用のHPなんかも開設しちゃったりしつつ、趣味で楽しく取り組んでいたのだ。

大学に入り、「もっといろんな人に読んでもらえたらいいな、認められたいな」という気持ちから色んな賞にも応募するようになった。

そしてある日、実家に届いた一通の封筒。それを開けてみると…

「あなたの作品が、特別賞に選ばれました。」

その紙を見た瞬間、まさにあのシーンのももこ状態でベッドに座り込んでしまった。

自分の作品が誰かに読まれて、しかも認められた。

その瞬間に体の内側から湧き出る喜び・興奮は、言葉では言い表せないほどだった。

そして震えながら紙を読み進めると…

「もしよろしければ、共同出版という形で出版してみませんか?費用は77万円で~」

それを見た瞬間手の震えは消え、興奮は覚め、仏かと思うくらい心が穏やさを取り戻した。

あ、これ。なんか違うヤツだ…。

すぐにインターネットで「賞の名前 出版社名 詐欺?」で検索した後、封筒ごとゴミ箱に捨てたのだった。(全然さくらももこと同じような経験じゃない…)

まとめ

「こういうものだから」とか、

「前もこんな感じだったから」とか、

経験から来る安心感・わかった感が胸のドキドキを半減させている気がする。

だから胸をドキドキさせたいなら、

やったことがないことをすればいい。

知らない国に行ったり、中途半端でやめていた趣味を極めてみたり、「こんなもんだろう」が通用しないことをすればいい。

さくらももこのエッセイを読んで、そんなことを思った。

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