先日、ぷらっと福井に行ってきた。
理由は、観光名所である東尋坊を見てみたい!と思ったからだった。
二泊三日の短い旅なので、これといって計画は立てずに東京を出発。
これが予想外に楽しい旅となることを、このときはまだ知る由もなかった。
福井県ってどこよ?
「週末福井に行くんだ」と言うと、
「へー! …どこだっけ?」と何人かに言われる。
数ある都道府県の中で、やはり福井はあまり目立つ存在ではないらしい。
そんな福井県は、ここ!
そう、私は字が汚い・・・ではなく、福井は京都や滋賀、岐阜、石川県と隣接する、日本海側の県だ。
周囲の県が有名すぎるせいなのか、旅行で「京都行った!」「岐阜行った!」という人はいても、あまり「福井行ってきた!」という人がいない気がする。
はっきりいって、もったいなさすぎる。
東京から行くなら、新大阪行の新幹線で東京駅→米原駅(名古屋のちょっと先にある)まで行き、そこから金沢行の『特急しらさぎ』で福井駅まで行ける。
所要時間は、3時間半。
この遠すぎず近すぎない感じが、ひとり旅にぴったりなのだ。
福井は何が有名?
福井で有名な場所といえば、
・東尋坊…自然によってつくられた断崖絶壁と、青い空・海が織りなす風景が美しいと世界でも有名。その岩は、国の天然記念物に指定されている。
・恐竜博物館…勝山市にある大きな博物館。福井県(特に勝山市)では多くの恐竜の化石が発掘されており、それを生かした発掘体験なども可能。
・鯖江市…メガネづくりの町。フレームの国内シェアは、なんと96%!
実はこの三つくらいしか知らないまま向かった私。
しかし行ってみたら、地味に見所が多いのが福井だった。
あまり知られていないおススメの場所
・芦原温泉街にある飲み屋街『湯けむり横丁』(昭和感満載かつ美味しい!)
古き良き昔がここに!という感じでいきなりぽっと現れる横丁。
焼き鳥屋さんからラーメン屋、フレンチ(!)のお店まで、狭くてちっちゃい個性的なお店がぎっしり。
横丁好きにはたまらない場所だ。
・武生市のなんとかっていうお寺(書道などのアートイベントが開かれていた)
すごく趣のあるカッコ良いお寺で、イベントのときは近所の人々がみんな集まってワイワイやっていた。
地域のコミュニティの場のようになっているのかな?
名前が思い出せないのが悔しい。。
・鯖江市の河和田(ものづくりの町)
小さな町工場で、メガネを丁寧に手作業で作り上げる過程を実際に見せてもらった。
メガネ好きとしてはたまらない体験だった。
そして、声を大にして私がおススメするのは、
・越前大野(ドンッ)
そう、あの「天空の城」と言われている越前大野城がある町である。
福井駅から電車で50分ほど。車なら40分だ。
実際に私が訪れたときは、平日(月曜日)の午前中だったためか、駅前に誰もいない状態だった。
大きな通りでも飲食店はほとんど閉まっており、「この町には3人くらいしか住んでいないのでは」と不安がよぎる。
だが、11時を過ぎると徐々にお店が開き始め、空腹で死にそうだった私はすぐにレストランに入った。
レストランと言っても、昭和の喫茶店みたいな雰囲気のお店。
ここがまたいい感じの雰囲気なのだ。
「あら、こんな早い時間に」と店のおばちゃんに驚かれつつ、おおの名物と書かれている「醤油かつ丼」を注文。
準備もあったのだろう、20分くらいかけてようやく運ばれてきたかつ丼と漬物と味噌汁は、めちゃくちゃ美味しかった。
東京のレストランと違って、穏やかでゆっくりとした空気が流れる店内。
しばらくたつと他のお客さんがやってきた。
近所のおじちゃんらしく、「今日は病院行ってきてね、その帰りなんだよー」とか言いながらおばちゃんと仲良くしゃべっている。
こういう下町のような、ゆるくてみんなが繋がっている雰囲気が大好きな私は、その光景を見ているだけで楽しかった。
かつ丼を平らげた私はすぐに『伊藤順和堂』へ。
そう。
越前大野きたのは、これが最大の目的だった。
宿で会った人に、「越前大野にある伊藤順和堂の芋金つばがやばい美味しい」という話を聞いたからだ。
話によると、その芋金つばは他県民はもちろん地元民にも大人気で、午後になると売り切れてしまうほどらしい。
早めに行った私は、無事に美味しそうな芋金つば6個入りを2箱ゲット。
私は満足し、ホクホクした気分でスマホを取り出し、福井駅までの帰りの電車を調べた。
そして、驚愕の事実が発覚する。
「11時29分発」の次が、「15時08分」になってる。。。
アプリが壊れたのかと思って何回か検索し直したが、どうやっても同じ結果に。
あと3時間以上もこの何もない町(おい)にいないといけないのか、、、!!
と慄いたのは一瞬だけで、せっかくだからブラブラ町歩きをしようと思った。
越前大野には、とにかくたくさんお寺がある。
結局、途中で見かける雰囲気の良いカフェや、広い店内で暇そうに突っ立っているおばちゃんがいる軽食堂に立ち寄って軽い雑談をしていたら、あっという間に15時近くになっていた。
天空の城は、結局下から眺めただけで終わってしまった。
何がいいってやっぱり人
地方ではみんなそう、という声もあるかもしれないが、福井の何がいいって、やっぱり人だ。
なんか一人でブラブラしていると、優しく声を掛けてくれる地元の人がいる。
宿で一緒になったお客さんのひとりが、車で大野まで送ってくれたりもした。
福井県民もそうでない人も、福井の持つ謎のゆるーい穏やかな雰囲気に癒されて、みんな優しくなっているんじゃないだろうか、と思う。
まとめ
芦原温泉にも入ったし、曇り空だったものの味わいのある東尋坊も見られた。
芋金つばは唸るほど美味しかったし、恐竜博物館は行かなかったけど駅前の恐竜の巨大模型が動き出したときは興奮した。
でも一番心に残っているのは、この旅で出会い、お世話になった人たちだ。
特に宿(福井駅近くにあるゲストハウス)の人には、本当に親切にしてもらった。
他の宿泊客の人たちとも、くだらない話から好きなことの話まで色々できて楽しかった。
またぷらっと行くなら、福井がいいなあ、と思う。