アラサー女が出会いを求めて相席屋に行ったら、大変なことになった

出会いがある居酒屋としてTVで紹介されているのを見て、以前から気になっていた相席屋。

シェアハウスの同居人(同じくアラサー)と、婚活話の流れで「試しに行ってみるか」ということになった。

ちなみに、二人とも恋人はなし。

お互いやりたいことをやって自由に生きていきたいタイプのため、結婚には向いていないと思いながらも、「いい出会いがあったらいいよね」とは考えているのである。

出会いのための居酒屋、相席屋

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お店の正式名称は「婚活応援酒場 相席屋」。

「一期一会」を理念とした、お客さん同士が相席になるというシステムのお店である。

新宿・渋谷・池袋など、東京だけでも現在24店舗(2018年現在は全国で100店舗以上!)あり、全国にも広がっている。

なぜ相席屋がこんなにも話題になるのかといえば、その驚くべき料金システムに寄るところが大きいだろう。

男性→相席になるまで一杯500円。相席時30分飲み放題1500円。(*2015年当時の料金。2018年現在、男性も相席前までは無料となっている)

女性→ずっと飲み放題0円。

女性0円。

そう。しつこいが、女性0円なのだ。

食べ物は普通にお金を払うらしいのだが、これも相席した男性によっては奢ってくれたりするらしく、そうなるとただ飲みただ食いができるということになる。

女の優遇半端ないな!!怒らないのか男性陣!と思いながらも、まあ無料と言われているのだから、お言葉に甘えることにした。

果たして我々アラサー女に素敵な出会いはあるのだろうか?

いざ、相席屋へ

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家を出てから思い出したのは、私が人見知りだということだ。

お酒が入るからなんとかなるかと思ったが、いざ入るとなると緊張してくる。

降り立ったのは、大井町駅。

そこからほど近いところに看板を見つけ、入店する。

「いらっしゃいませ。相席屋のご利用は初めてですか?」

「は、はい(緊張)」

「ではシステムを説明させていただきます」

ということで、まずお店の人から簡単なシステムの説明を受ける。

最初の一杯目は店員さんが持ってきてくれるが、二杯目からはセルフサービス(カクテルも自分で作る)だそうだ。

その中で、店員さんが驚愕の一言を言い放つ。

「クーポンお持ちでしたら、食べ放題も無料になりますよ」

「…!!!持ってないです!!」

「アプリから取れるので、今やっていただいても大丈夫ですよ」

「やります!!」

こうして私たちは、時間無制限で飲み放題食べ放題という夢の空間に突入することとなった。

いよいよ相席に

いくら飲んでも、いくら食べても、無料の居酒屋。

「やばい。最高じゃん!」

「もうずっといたいね!」

「もはや相席にならなくても全然良いね!」

と、本来の目的を忘れ、ビールを飲み料理を注文するアラサー女ふたり。

10分ほど経った後だろうか。

「相席になるので、並んでお座りください」

店員さんに言われ、対面して座っていた私たちは並んで座りなおす。

いよいよだ。

いよいよ、相席が始まる。

今思えば、夢の空間だと感じていたのはこの時までであった。

地獄の一方通行会話事件

やってきた男性二人は、茶髪&黒髪髭ありで若干チャラそうな印象。

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年齢は30代前半くらい。

相席が始まると、最初の乾杯の音頭を店員さんが取る段取りとなっている。

それが終わると四人で普通に飲み会開始。

緊張しつつも、ありきたりな会話で進める。

私「初めまして。ここは初めてですか?」

髭「そうなんです」

私「私たちもなんです」

茶「そうですか」

同居人「今日は休みですか?」

茶「仕事帰りなんです」

私「お疲れ様ですー」

髭&茶「お疲れっすー」

ここら辺までは、まあ普通の会話だったかなと思う。

でもだんだん雲行きが怪しくなっているのに気付いた。

そう。

あちらから、全然質問をしてこないのだ。

こちらが質問をすると、それについて20分くらい話し続ける。

アラサー女二人はもはや相槌を打つばかり。

たまにこぼれ球を拾って「私も○○好きなんですよー」とか言ってみるが、すぐに奪い返され、

「いや、俺はさー」と再度持っていかれる。

会話のキャッチボールのボールが、私と同居人に全く回ってこないのだ。

なんだ。

なぜそんなに君たちは、自分の話しかしないんだ。

それも全部ドヤ顔で。

極めつけは、

茶「やっぱり人間はさ、心に余裕がないといけないと思うんだよね。余裕がないとさ、周りも見えないし云々…」

などと語りだし、髭が隣でうんうん、と頷いている。

一番周りが見えていないのは、あなた達ですけどね。

…と言いたいのを我慢して「そうですよね」とか言っていた私も、そろそろ厳しくなってきた。

同居人も顔を引きつらせながら、愛想笑いと頷きを繰り返している。

もうこの役目、私たちじゃなくてよくね?

ロボットのPepperでも置いておけばいいんじゃね?

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そろそろ相席になってから2時間が経過しようとしていた。

なんという時間の無駄だろう、と感じる。

男性は30分ごとに1500円も払うのだから、もう飲み代だけで6000円になっているわけだ。

そろそろ席立ってくれないかなーまだかなー。という考えだけが頭の中を駆け巡る。

でもおしゃべりは止まらない。

「やっぱり俺はさ…」

 

「俺らはさ、」

 

「そういえばこないだ俺らさ、」

 

・・・もういいよ!

2時間半を過ぎたところで、私は相槌を止めた。

チェンジ!という札があればすぐにでも挙げたかった。でもそれはないので、とりあえず早く終わらせたいという思いのみが募る。

そして、愛想笑いと相槌を止めた私は、スマホをいじり始めた。

初対面かつこういう場面でスマホをいじり始めることがいかに失礼か、そんなことは重々承知している。

私は人が話しているときにスマホを触る人が嫌いだ。

なので、これは幼稚な復讐だった。

いくら全部無料だからって、2時間も延々とつまらない話を聞かされるなんてごめんだ。

こんなの、嫌いな上司に「奢るからさ!」と無理やりご飯につき合わされているのと同じじゃないか。

この私の悪態により、ようやく「そろそろ、締める?」みたいな雰囲気となった。

しかし彼らは一向に席を立とうとせず、

「女の子より先に席を立つわけにはいかないから」とか訳のわからないことを言い放つ。

いやいや、レディーファーストってそういうことじゃねぇよ!

…と思いながら、まだデザートも頼みたかった私たちは(おい)、

「いえ、先にどうぞ」

と無表情で返す。

すると、彼らは「いいの?」とか言いながら去って行った。

悪夢の時間は、こうしてようやく幕を閉じたのだった。

打って変わって、平和に過ごせた相席二組目

そのあとすぐに30歳前後の男性二人組が来て、再び相席となる。

今度は会話のキャッチボールがちゃんとできる方々で、普通に楽しい時間を過ごさせていただいた(雑談のみで、連絡先交換まではいかなかったが)。

最初の相席で疲れてしまったため、1時間ちょっとで席を立つことにしたが、最後に彼らと相席できたことは本当に良かったと思う。

まとめと感想

・相席屋は女性は飲み放題無料、クーポンがあるときは食べ放題も無料というのようなシステムがある。

・私が行った大井町店は、男性・女性ともに20代~30代が8割くらい。

・店内は綺麗で、店員さんの接客も良かった。

・婚活で!というよりは、気軽に人と話したい!というノリのがいいかもしれない。

学んだこと

・ご飯を美味しく食べる、お酒を美味しく飲むためには、一緒にいる人がどんな人かが大変重要。

・キャッチボールはもらったら投げないとダメ、絶対。

・人と話をするときは、多少なりともお互いに興味を持った状態でないと面白くない。