東京にいても野菜を育てたい!から農園を借りてみた。

私は、東京生まれの東京育ちである。

だから東京は嫌いではない。人混みは大嫌いだが、東京はやはり住んでいて楽しいし面白い街だと思っている。

でも足りないものがある。

 

故郷がない

 

そう、私には故郷がない。故郷というのは、その人が生まれ育った土地のことで、現在いる場所ではないもう一つの家のことだ、と私は定義している。私は親元を離れて暮らしてはいるものの、やはり今も東京に住んでいる。里帰り、をする場所がないのだ。

だから、以前バンクーバーでの留学を終えて帰国する際には、「これが里帰り…!」という妙な興奮を覚えた。

 

故郷をつくる

 

ないのなら作ればいい。

『フルサトをつくる』(著:伊藤洋志×pha,東京書籍)を読み、その考え方に感銘を受けた私は、どうやって作ろう?どこに作ろう?ということを考え始めた。

東京と簡単に行き来できるところが良い。

でも都会っぽさが全くなく、山や海に囲まれているようなところが良い。

畑を作って、自給自足みたいにしたい。

あ、でも畑仕事なんてやったことないや。

 

じゃあとりあえず畑でも借りるか。

 

畑を借りる

 

インターネットで検索すると、「市民農園」なるものがいくつかあることがわかる。

10㎡とか15㎡を一区画として、月額でレンタルすることができる。スタッフの方になんでも教わることができるため、初心者でも大丈夫というのが売りだ。なかなか人気らしく、都会でも「土に触れたい」という人は多いのだろうと感じた。

いくつか実際に見学をしに行き、雰囲気や交通の便をかんがみて、埼玉にある農園の畑を借りて、1年間学んでみることにした。

見学中も、母親と子供が一緒に楽しそうに土を耕したり、雑草抜きをしているの姿が見られた。「食育」という視点で農園を借りる方もいるそう。野菜が種から成長し、食卓に並ぶまでの工程を観察できるというのは素晴らしいことだ。食べ物を大切にする心も自然に芽生えるだろう。

 

これからのスケジュール

 

とりあえず、次回自分の区画の畑を耕すところから始まる。

ここが骨の折れる作業らしく、「友達を連れてきてもいいですよ」とか言われたものの、数少ない友人に声をかけるも「いくらくれるの?」という悲しくもリアルなお言葉が返って来たため、ひとりで頑張りたいと思っている。

その後、好きな夏野菜の苗を持ってきて植えることになる(種から植えるには時期が少し遅すぎると言われた。できなくもないが、難しいらしい)。

植えたい野菜がありすぎて困る。ナス、かぼちゃ、きゅうり、ネギ、とうもろこし、さつまいも。

とりあえず、畑の様子については当ブログで発信していきたいと思っている。

 

農作業するにあたっての重大な課題

 

自然大好き。畑仕事は初めてだが、やる気十分。

そんな私にも、ひとつだけ大きな課題が立ちはだかっている。

見学に行った際、それは発覚した。

畑に着くやいなや、私の周りをブンブン飛び回るあいつら。

 

そう。

 

 

虫だ。

 

 

黒くて足が長くて人差し指の爪の大きさぐらいあるそいつらは、とにかく楽しそうに何匹も飛び回っているのだ。

そいつらが顔をかすめる度に「ぎゃあ」とか「ぶわっ」とか言いながらのけぞる私を、スタッフの方は「何もしない虫だから大丈夫ですよ」と言いながら、温かく(そう信じたい)見守っていた。

 

つづく。